月経前緊張症(PMS)|女性のための漢方

漢方医学

漢方薬では月経前緊張症(PMS)に使う処方も、月経困難症(PMS)に使う処方も特に区別することはありま せん。あくまでも本人の体質や症状によって処方が決まるので、病名によって処方内容が変わ ることはないのです。
月経前緊張症に用いる漢方薬は、血液の量をふやし貧血 や冷えを改善する漢方薬、血液の循環をよくし、「お血」といわれる汚れた血をとる漢方薬を用いることが多いです。
また、のぼせ、イライラなどの「気(精神的)」の症状が見られる方には、「気」の流れを正常にする漢方薬を用います。ストレスなどによって症状は悪化しますので、軽い運動をしたり気分転 換をしてストレスをとるように心がけましょう。
漢方薬は一つの処方の中に、ホルモンバランスを調える生薬や身体に受けるストレスを和らげる生薬、血を補ったりきれいにして流れをスムーズにする生薬を巧みに組み合わせて構成されて います。
体質に合った処方を服用すれば、余計な副作用も起こさずに楽に生理期間を過ごせるようになります。もし、毎月生理が近づいてくると、不安な気持ちに襲われて、まさにブルーな気分で過 ごしている方は、一度漢方薬の服用をおすすめします。
体質に合った処方を用いることで、生理に対する不安もグッと楽になると思います。

※漢方を服用する場合は、自己判断せずに、漢方の専門知識のある医師、薬剤師に相談しましょう。

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漢方医学

西洋医学

生理の3~10日前にイライラなどのいろいろな不快症状を訴える女性は意外に多いです。病院などで診断を受けると、月経前緊張症(PMS)といった病名をつけられます。
主な症状をあげると、次のようなものがあります。
・生理前になるとイライラしたり、怒りっぽくなったり、逆に気分が落ち込んだり、いわゆる情緒不安定の状態になる。
・胸が張ったり、場合によっては乳首が痛んだりする。
・吐きけや下痢など、胃腸の具合が悪くなる。また、頭痛がする。
・のぼせや手足の冷えがある。
・むくんだり体重が増加したりする。
これらの症状を訴える方が多いのですが、原因はまだはっきり分かってはいないようです。ただ、ホルモンバランスの変化も原因の一つとして、考えられています。病院などでは、女性ホルモン剤を処方されることが多いようです。
若い人の場合は、ホルモンバランスの崩れだけでなく、ストレスや子宮の発育不全が原因になっている場合もあります。中高年になると、子宮筋腫や子宮内膜症などが原因になっている こともあるので、注意が必要です。

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西洋医学

日常生活

日常生活では、日頃からストレスをためないようにすることが大切です。休日などを上手に 活用して、ゆっくりとと過ごしたり、趣味やスポーツでストレスを発散するようにしましょう。
食生活では、乳製品や小魚などカルシウムが豊富に含まれている食品を多くとることをお勧 めします。レンコンや胡桃なども血行をよくして冷え性体質には効果的です。 豆腐や納豆などの大豆製品には、大豆イソフラボンを整える働きがあります。
これらの食品を中心に、バランスのよい食事を摂るようにしましょう。

※医師・薬剤師に、ご相談の上服用してください。

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日常生活

月経前緊張症の漢方の実例

生理前のイライラ、生理痛の漢方薬を使った症例

この方は、長いこと月経前緊張症で悩んでいました。イライラが強く吐き気、胃痛、むくみ、倦怠感などに襲われます。生理痛も強く、生理時には微熱も出るとのことでした。
やせ型で顔色は青白く冷え症で、顔がほってたり、のぼせるような症状があります。生理の周期は23日前後で、生理時には腰痛が強くなります。便秘ぎみですが、生理時には下痢をすることもあります。

この方は虚弱タイプの体質で、イライラ感が強いのでこの症状に適した月経前緊張症の漢方薬を、また生理痛が強いときには、鎮痛効果のある漢方薬を服用していただくことにしました。

一ヵ月後には、イライラなどはある程度改善されてきたとの事ですが、生理痛、倦怠感は相変わらずで、吐き気や胃痛もあまり変化が見られないとのことでした。
鎮痛効果のある漢方薬もあまり効果がないとの事です。そこで前の漢方薬と生理痛、倦怠感によい漢方薬を、交互に服用することにして様子を見ることにしました。

翌月に来店されたときには、今までの月経前緊張の症状が以前よりは大分楽になったとの事です。
その後、半年ほど同じ処方を服用していただきましたが、月経前緊張症の症状が改善したので服用を中止しました。

生理痛や吹き出物に漢方薬を使った症例

生理前になると、背中や顔に吹き出物ができ、イライラが強くなり 、具合が悪くなるとのことで来店しました。 のぼせや頭痛もひどく、また生理前の一週間はイライラや憂うつ感が強くなり、眠れなくなるとのことでした。
生理痛が強いので、鎮痛剤を服用することもありますが、胃にもたれるのであまり飲みたくないとのことです。

体格は中肉中背で冷え性です。神経質で緊張したときには冷や汗が出ることがあります。
生理は28日でくることもありますが、50日くらいになることもあります。普段から胃腸も弱く、油っこいものや香辛料の強いものを食べると、吐き気や胃がもたれることがあり、下痢もしやすいです。

この方は冷え症で、のぼせがあり、イライラが強く、吹き出物もでるとのことなので、これらの月経前緊張症に適した漢方薬を処方して、1~2ヶ月様子を見ることにしました。

一ヵ月後に来店した時には、生理前のイライラや憂うつ感、生理痛、吹き出物などが改善されてきたとのことでした。このまま、同じ処方を継続して服用していただきました。
3ヵ月後には生理痛や不安感、吹き出物なども大分改善され、生理前になっても以前のようにつらい思いをしなくても過ごせるようになりました。


虚弱タイプの体質で神経質、のぼせなどの症状が見られたので、これらの症状に適した漢方薬を30日分処方しました。
一ヵ月後に来店したときにはうぶ毛がみられるようになり、4ヶ月でほとんど目立たなくなりました。

月経前緊張症がひどかったのですが、漢方薬で改善、さらに妊娠して子宝に

女性 26歳 月経前緊張症

およそ9ヶ月くらい前から、生理前になると下腹部が張り、頭痛、吐き気などの症状が出始めました。
始めは軽かったそうですが、症状はだんだんひどくなり、イライラ、胸の張り、だるさなども出始めました。
病院へ行ったところ、ホルモンバランスが崩れていて、月経前緊張症といわれました。
何も薬は処方されなかったそうです。
妊娠を希望していますが、とにかく今の症状が辛いので、漢方薬で改善したいとのことでした。

この方は、訴える症状が多かったのですが、基本的にホルモンバランスを整えて、様々な不快症状が改善できるような漢方薬をお出ししました。
漢方薬を服用し始めて、かなり症状が改善してきたとのことです。
生理前の頭痛やイライラ、吐き気など以前と比較しても明らかに楽になってきました。
症状が落ち着いていたので、しばらくは同じ漢方を継続していただきましたが、四ヶ月後に自然妊娠しました。
それからは、妊娠中でも安心して服用できる漢方薬を服用していただき、元気な男の子を出産されました。

この方は、特に不妊症を中心に考えていたわけではないのですが、ホルモンバランを整えることで、自然に妊娠しやすい身体作りができたのでしょう。
始めて来店されたときはとても辛そうでしたが、赤ちゃんをつれて来店されたときはとてもお元気な様子でした。
幸せなご家庭を築いてください。

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