女性を美しくする生薬のいろいろ|漢方のはなし

11.紅花(こうか)

薬膳料理には良く使われています。美しい色と香りで血をサラサラに。

紅花(こうか)はキク科の植物ベニバナの花です。ベニバナは咲き始めは黄色く、徐々に橘黄色になり、最後に赤くなり、よい香りがします。ヨーロッパではアロマテラピー(植物の精油成分による芳香療法)の材料の一つとして昔からよく使われています。ベニバナは古くから染料として用いられ、現在では食品の着色料や口紅などの原料となっています。また、ベニバナの種子から取る油はサフラワー油(ベニバナ油)と呼ばれ、リノール酸を多く含んでいます。中国では、紅花酒や紅花海老炒め、紅花餃子、紅花海参(なまこ)スープ、黒豆、紅花ジュースなどの薬膳料理はとても人気があります。紅花(こうか)を使った薬膳を食べて飲んで、生理痛、無月経、月経困難、冷え症、関節痛、高脂血症、脂肪肝、動脈硬化などを改善しましょう。

薬用には開花初期の黄色が多いときの花をそのまま乾燥して用います。紅花(こうか)は美しい色・香を持ち、「活血(かっけつ)(血の流れをよくする)」の働きがあります。

顔の血管が網の目のように浮き出すのは毛細血管の収縮する力が弱くなって拡張したからで、血がよく巡れば自然に治っていきます。紅花(こうか)を含んだ薬、例えば冠元顆粒かんげんかりゅう)、葛根紅花湯(かっこんこうかとう)をのめば、徐々に改善されていきます。

紅花(こうか)の優れた「活血(かっけつ)」の働きとすてきな香りは、冠元顆粒(かんげんかりゅう)によく生かされ、狭心症、高血圧、肩こり、胸痛、動悸などによく効きます。冷え症、紫暗黒の月経血の塊が出る時、末梢循環障害、血管炎などにも使われています。

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