漢方を知ろう|漢方について

漢方というと、中国の医学と思っている方が多いと思いますが、実は日本の独自の呼び方です。もともと日本では、漢方薬を用いて治療をしていました。 明治時代になり西洋医学が入ってきたので区別するために、いままでの医学を漢方というようになりました。 

最近では病院から漢方薬をもらっている方も多く、漢方薬はエキス製剤(散剤・顆粒)と思っている方もいるのではないでしょうか。

元来、漢方薬は古く中国から伝えられ、植物の根や皮や花、実、時には動物や鉱物など(それら漢方薬の材料を生薬とよんでいます)を用いて一人一人の体質に合わせて処方されたお薬なのです。これらの生薬をある一定の割合で混ぜたものが煎じ薬という本来の漢方薬の形なのです。

また、日本の漢方薬は長い年月をかけて日本人向けに改良されているので、中国漢方とも異なっています。

漢方薬の種類

錠剤

錠剤

抽出したエキスに乳糖などを加え錠剤の形に成形したものです。 一番安価ですが、エキスの量が少ないので効き目が落ちます。

散剤

散剤

抽出したエキスに乳糖などを加え粉状にしたものです。 手軽に用いることができて、煎じ薬より飲みやすい利点があります。

丸剤

丸剤

八味地黄丸に代表されるように、粉状にしたエキス剤をハチミツなどを加えて練り固めた日本において古くからある伝統的な丸い球状の薬です。

煎じ薬

煎じ薬

葛根湯という名前を知っている方も多いのではないでしょうか。
漢方薬はこのように“湯”がつくものが多くあります。“湯”は中国語でスープという意味で、スープを作るように、生薬をコトコトと煮出して作る薬です。効き目は一番すぐれています。

紹介したどの薬を服用したらいいのだろうかと、悩まれるかもしれませんが、当店ではできれば煎じ薬をおすすめしています。

わたしの経験でも下痢をした時に、エキス製剤を服用してもいっこうに良くならず、同じ処方名の煎じ薬を服用してみると、ピタリと下痢が止まったことがありました。症状が重かったりした場合はぜひ煎じ薬を服用してみてください。

しかし、忙しかったりして、どうしても煎じ薬を飲めない方には散剤をおすすめします。エキス製剤も技術の進歩により、だいぶ煎じ薬に近づいてきています。

何よりも大切なことは自分の体質に合った漢方薬を飲むということです。そのためには専門の知識のある病院や薬局で処方していただくことが大切です。

漢方について