どうします?その痛み|漢方のはなし

17.最も多い変形性膝関節症

膝が痛くなる病気には変形性膝関節症、化膿性関節症、結核性関節炎、神経病性関節症、関節遊離体などがあります。中高年の人の膝の痛みの原因としてもっとも多いのが変形性膝関節症で、膝の関節の軟骨がすり減ったために痛みが起こります。

また、この病気は男性より女性に多くみられます。最初のころは、正座やイスから立ち上がるとき、歩き出すときなどにも痛みが出るのが特徴です。しだいに階段の上り下りや平地の歩行でも痛みがでてきます。そのうちに膝に水がたまって腫れ、さらにひどくなると、膝の曲げ伸ばしのたびに、ギシギシ音がしたり、膝が曲がったままになってしまうこともあります。

西洋医学の治療では痛みを抑えるために消炎鎮痛剤の内服や関節へステロイド、ヒアルロン酸などを注射します。また関節に水がたまった時は注射器で水を抜き、その際に水だけではなく、膝の潤滑剤までも抜いてしまい、その結果、より関節がこすれて炎症を起こし、再び水がたまるという悪循環を起こして、最後は手術(人口関節)が必要になっている場合もあります。

中国医学では膝に水がたまった時などは利水、利湿作用のある生薬で水を出して、膝の炎症の熱を下げ腫れをとる生薬で痛みをやわらげ、関節の変形が進まないように腎の働きを補う生薬で根本から治療します。

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