更年期のおはなし|漢方のはなし

17.更年期の最中

更年期障害の最中には、いろんな症状が現われます。時期や場所も不定期で変わることも多いのです。多彩な症状をおおまかに分けると、膣の乾燥、性欲減退、性交痛などの卵巣機能低下による女性ホルモン不足の症状や冷えとのぼせ、汗かき、ほてり、動悸などの自律神経失調と思われる症状や、不安感、落ち込み、焦燥感、不眠など神経症的な症状、頭痛、肩こり、手足の冷えなど血行障害の症状です。

中国漢方では、このような多彩な症状は肝、心、腎(西洋医学の概念とは違います)の働きの低下や相互関係の乱れによるものと考えられています。そのため、一個一個の症状を追いかける対症治療ではなく、更年期障害の基本となる肝、心、腎を整えてから着手します。体質改善を行います。この際には、体質を改善すると同時に、ある程度対症治療も兼ねたものを選んだ方がよいでしょう。

例えば、瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)は主に腎を補うので、腎の衰えととらえる女性ホルモン不足の症状を改善し、さらに、ほてり、のぼせ、汗かきにも良いです。天王補心丹(てんのうほしんたん)は心と腎に効くゆえ、女性ホルモン不足による症状以外にも、心と関わりの深い自律神経失調や神経症から来る動悸、のぼせ、焦燥感、不眠などにも効果があります。

肝の働きをよくする星火逍遥丸(せいかしょうようがん)や加味逍遥散(かみしょうようさん)は主役級ではありませんが、肝の乱れとして捉える自律神経失調や神経症の愁訴が多い場合には名脇役として効果が期待できます。さらに、更年期に月経不順や閉経によるお血(血中に老廃物が多く血行障害の状態)になりやすく、頭重、頭痛、肩こり、手足冷え、血圧上昇、高脂血症、肥満などがよくみられます。 そのため、お血を取り除く冠元顆粒も併用すると、より優れた効果が期待できます。漢方においては腎、心、肝を調整することが更年期障害を改善するキーワードです。

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