更年期のおはなし|漢方のはなし

21.汗かきと夏バテ

私の友人で汗かきで必ず夏バテする40代なかばの女性が、仕事で10日ほど北京に滞在しなければならなくなりました。梅雨のない北京は6月はもう真夏日です。毎日、汗がだらだら止まらないほどで、 すぐ夏バテになったそうです。しかし地元の方にすすめられて生脈飲(しょうみゃくいん)という漢方ドリンクを毎日飲んだら、うそのように夏バテがなくなり、汗の出も楽になったとに大いに感心して、 お土産をすべて生脈飲にしたそうです。

この生脈飲は薬用人参、ユリ科ジャノヒゲの塊根である麦門冬(ばくもんどう)、チョウセンゴミシの成熟果実である五味子(ごみし)が入っています。汗をかきすぎて、消耗した体力や体液を補い、同時に汗のかきすぎを防ぐ力もあるので、 夏バテの治療だけでなく、夏バテを予防し、 快適に過ごせる夏養生として中国で大変人気のある家庭常備薬です。さらに心臓の働きをサポートして、血液をサラサラに保ち、血栓ができにくくする働きも優れています。そのため"生脈飲"という名がつけられました。心臓に自信のない方にも良い薬で、更年期の女性は汗をかきやすいので、日ごろお茶代わりに飲むとよいでしょう。

日本にはドリンクタイプはありません。しかし有効成分の濃いエキスタイプの麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう) というものが輸入されています。お湯、むぎ茶、スポーツドリンク、ミネラルウォーターなどに溶かして飲むとよいでしょう。中国では、この麦味参顆粒の他に西洋人参(北米原産の薬用人参で、高麗人参とは別物)も よく使われている。特にほてりやすい方には効果的です。

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