肝炎 | お身体の悩み

漢方医学

漢方では、肝炎も肝硬変も区別はせずに、肝機能障害として考え処方を用います。また、肝炎に用いる漢方処方には免疫力を高めるものも多いので、肝炎の進行を抑えたり、肝臓がんへの移行を抑制する効果もあります。
肝臓は血液を蓄えて、必要に応じて全身を巡らせる作用を担っています。しかし、肝炎などで肝機全身能が衰えると血液が全身をスムーズに巡らなくなり、全身がだるく疲れやすくなったり、怒りっぽくなったりします。
肝炎の漢方薬は、肝機能を改善し血液をスムーズにする効果があります。また、「気」の流れをよくして、イライラや怒りっぽい症状を改善できます。症状にあった漢方薬は副作用がなく、安心して服用することができます。
漢方では、「肝に目に?穴を開く」という言葉があります。つまり、目と肝臓は密接につながっていて、肝機能が弱ってくると、目が疲れたり、ぼやけたり、かすんだりしてくるということです。 目が疲れたりしたら、少し休息をとるなどして身体を休めましょう。
また、肝は筋肉とも関係が深く、肝炎の方や肝機能が衰えていると筋肉がけいれんしやすくなります。漢方薬を服用すると、肝による筋肉けいれんを抑えることができます。
肝はストレスとか、疲労の貯まるところとされています。できるだけストレスや疲労を貯めないようにすることも大切です。
肝炎に用いる漢方薬は十種類以上あります。自己判断で服用すると副作用を招くこともあるので、漢方薬を用いるときは、くれぐれも漢方専門の薬局か病院に相談しましょう。

※漢方を服用する場合は、自己判断せずに、漢方の専門知識のある医師、薬剤師に相談しましょう。

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漢方医学

西洋医学

肝炎ウイルスによる炎症が半年以上続く病態が慢性肝炎です。原因としては肝炎ウイルスによるものが多く、ウイルスにはA型、B型、C型などがあります。
A型肝炎は口から感染する急性肝炎で、慢性肝炎になることはありません。B型肝炎は、血清肝炎ともよばれ輸血などで感染し、出産時に母親から子供へ感染するケースもあります。C型肝炎がもっとも多く、輸血や注射器から感染しますが、最近では対策が進んで、こうしたリスクはなくなっています。
A型やB型の急性肝炎が慢性肝炎に変わることは比較的少なく、10パーセントくらいといわれていて、大部分がC型と考えられています。
肝炎の初期はあまり特徴的な症状は見られず、徐々に全身の倦怠感や黄疸が現れてきます。重症になると黄疸が強くなり、腹水や発疹、発熱などの症状が出ます。
肝臓は沈黙の臓器ともいわれ、肝炎の症状がでてくるにも時間がかかります。しかし、そのままほうっておくと、肝硬変、肝臓癌へとじわじわと移行していくこともあります。治療に関しては、西洋医学でも漢方でも早い時期から始めることが大切です。
西洋医学の肝炎の治療は、食事療法や安静療法を中心にインターフェロンやステロイドなどの薬物療法が用いられます。インターフェロンは治療成績に個人差があり、また強い副作用がでることもあります。ステロイド剤も、長期に用いるといろいろな副作用が起こりやすい薬です。

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西洋医学

日常生活

肝炎の方は、身体に余計な負担をかけずに十分な休養を取る必要があります。また、ストレスをためないようにしましょう。
アルコールは、出来ればやめることをお勧めします。それが無理な場合は量を控えるようにしてください。
食事には、ブルーベーリー、レバー、チーズ、しじみ、アサリなどを多く取り入れるようにするとよいでしょう。
※医師・薬剤師に、ご相談の上服用してください。

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日常生活

肝炎の漢方の実例

漢方薬を用いたB型肝炎の症例

男性 35歳 肝炎

この方は最初、お子さんのアトピー性皮膚炎で来店していました。約1年間服用してお子さんの皮膚炎がだいぶ落ち着いたので、今度はご自分が慢性肝炎なので漢方薬を服用したいとのことでした。
小さい頃に感染したとのことでした。疲労が強く神経質です。特に朝起きても疲れが取れず、スッキリしません。
GOTが90、GPTが135。冷えやのぼせはありませんが、肩こりが強くお腹が張ります。便通は一日に1~2回で普通です。病院で定期的に検査を受けています。
虚弱タイプでもガッチリタイプの体質でもなかったので普通体質と判断して、漢方薬を処方しました。
2ヶ月分を服用し終わる頃には、朝起きたときの疲れが以前より良いとのことでした。GOT70、GPTが120まで下がりました。まだ、漢方薬の服用を始めて、2ヶ月あまりですが徐々に調子は上向いています。

C型肝炎で高血圧の症例

女性 56歳  肝炎、高血圧

C型肝炎と高血圧で漢方薬を服用したいとのことでした。背が高く?せ型です。血圧は降圧剤を服用していても180前後あります。
胃が弱く、神経質で夜は熟睡できないとのことでした。それ以外は目立った自覚症状はありません。
漢方薬の服用を始めて2ヶ月ほどしてから、肝機能の検査値と血圧が落ち始めました。以前は疲れやすく、肩がこりやすかったのですが、最近はそうした症状がよくなってきたとのことです。
6ヶ月後には血圧が140台になり、肝機能の数値もほぼ正常値に落ち着いてきました。

いろいろな病気を含む肝炎の症例

男性 53歳  肝炎、高血圧、高脂血症、糖尿病

肥満体型の方です。普段からの食生活や運動不足の不摂生がたたって、メタボリックの見本のようになってしまったとのことでした。疲れやすく、仕事でストレスがたまるとすぐにイライラします。

この方の場合、漢方薬の服用だけでなく、禁酒と食生活の改善や軽い運動を勧めしました。また、2~3ヶ月ごとに症状をチェックして、必要に応じて処方を変えました。

一年後には、体重も10キロ以上減量して、肝機能や血圧、血糖値が大分改善されてきました。現在も漢方薬を継続中ですが、症状は少しずつ改善しています。

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