前立腺肥大症 | お身体の悩み

漢方医学

漢方では、前立腺肥大症は「腎虚」(ジンキョ)によって起こると考えています。漢方では腎は、腎臓や膀胱などの泌尿器や生殖機能を含めたものを指しますが、これらの機能が衰えた状態を「腎虚」といいます。また、腎は排尿をコントロールする働きがあり、腎機能の低下によって老化が起きるとも考えられています。
前立腺肥大症によく使われる漢方薬としては、夜間多尿で下半身のだるさがあるようなときは、腎機能を高めて排尿のリズムを調節し下半身のだるさなども改善する処方を用います。
しかし、これらの処方は胃腸にもたれる生薬が含まれるので、胃の弱い方は胃の働きを助けるような漢方薬を併用することもあります。また、排尿痛や尿道炎のような症状があり治りが悪いときは、血流をよくして炎症を改善する、駆お血薬とよばれる漢方処方を併用します。
前立腺肥大症は一度かかると、完治することは難しい病気です。全身状態をコントロールし症状の改善を目指すには、漢方薬は適しています。
また、外科的な処置をしたあとの術後の回復や再発防止にも漢方薬は有効な手段といえます。

※漢方を服用する場合は、自己判断せずに、漢方の専門知識のある医師、薬剤師に相談しましょう。

 

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漢方医学

西洋医学

前立腺肥大症は、50代から60代以上の男性に多くみられる病気です。加齢によって、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れることが原因と考えられています。
前立腺は膀胱の下にある、栗の実くらいの大きさの臓器で、その中央を尿道が通っています。前立腺が肥大すると、膀胱が圧迫されて、さまざまな尿利異常の症状が現れます。前立腺は精液を分泌する働きがあり、男性だけにある臓器です。
前立腺肥大症の主な症状としては、頻繁にトイレに行きたくなる、夜中にトイレに何度もおきる、尿がでにくくなる、一回の排尿量が少なくなる、残尿感を感じるなど、排尿に関した症状が主なものです。
「前立腺がん」とも症状が似ていて、併発するケースもあるので、このような症状が現れたら十分注意が必要です。早めに泌尿器科で診察を受けることをお勧めします。
初期の前立腺肥大症であれば特に治療の必要はなく、定期的な検査を受ける程度でよいのですが、ある程度症状が進行するようだと、薬物療法や内視鏡を使った手術などが行われます。また、高温度療法といって、前立腺を加温するような治療法が施されることもあります。

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西洋医学

日常生活

前立腺肥大症は男性の加齢とともに発症率も高くなり、60代で50%以上、70代で70%以上の人がかかっているといわれています。老化現象の一つとも考えられますが、日頃からの生活に気を配ることで、発症を遅らせることは可能です。
深酒や喫煙、過労、過剰な性生活などは「腎虚」となり老化を進め、前立腺肥大症の原因にもなるので、なるべく避けたいものです。
※医師・薬剤師に、ご相談の上服用してください。

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日常生活

前立腺肥大症の漢方の実例

西洋薬で改善しなかった前立腺肥大症の症例

尿の出が悪く、トイレにも頻繁に通うようになり病院へ行ったところ、前立腺肥大症と診断されました。
しばらく通院して、西洋薬を服用していたのですが、症状は一向に改善されませんでした。ところが、テレビで漢方薬を扱った番組を見ていたところ、前立腺肥大症にも効果のある漢方薬があることを知り、来店されました。
最近では、夜中にトイレに起きる回数も増え、持病の腰痛も悪化してきたとのことです。
この方は、痩せ型で冷え性、疲れやすいなどの症状もあることから、虚弱タイプと判断しました。身体を 温めて利尿効果を調え、前立腺肥大症に効果のある、虚弱タイプの処方を用いました。
一ヶ月後に来店したときには、夜間のトイレの回数が減り排尿の出もスムーズになってきたとのことです。3ヶ月後には、排尿時の違和感もなく、腰痛もほとんど改善されたとのことでした。
この方はこの漢方を服用していると、疲れも感じずに仕事に集中できるとのことで、服用を継続しています。

睡眠不足も改善した、前立腺肥大症の症例

この方も、病院で前立腺肥大症と診断されました。病院では西洋薬を処方されたのですが、胃がもたれたりして身体に合わず、できれば漢方薬で治療したいとのことで来店されました。
中肉中背で血色も悪くはありません。肩こりや腰痛があります。尿がでにくく、トイレに行った後も残尿感があります。また、夜中に4回も5回もトイレに起きるため、睡眠不足になっているとのことです。
この方は、中間タイプと判断し、精神を安定させて不眠を改善し、前立腺肥大症を治療する漢方薬を処方しました。 
15日後に来店されたときは、夜中にトイレに行く回数が減り、以前よりもよく眠れるようになったとのことでした。排尿の出方も改善されているとの事です。その後、症状は徐々に改善され、尿の出しぶりや残尿感もよくなり、半年後には夜中のトイレも一回ですむようになりました。
この方の場合、何よりもよかった点は、睡眠が十分取れるようになったことです。

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