膵炎 | お身体の悩み

漢方医学

漢方では、膵炎は多くの場合、水の代謝異常や精神的ストレスなどが原因で発症すると考えています。体内の水の代謝が悪くなると、口の渇き、下痢、頻尿、めまいなどの症状が起きますが、このようなときは、過剰な水分を汗や尿などで体外に排出する膵炎の漢方薬を用います。
また、精神的なストレスや暴飲暴食などの肉体的なストレスが原因で膵炎になった場合は、イライラ、不安感、不眠などの症状も伴います。このような時は、ストレスを和らげて膵炎を改善する漢方薬を用います。
膵炎では、消化器に余分な水分がたまり消化器の機能がおちている方がいます。この場合には、胃腸などの余分な水分をとり消化機能を高める漢方薬を用います。
また、膵炎でみずおちが痛んだり不快になる症状が現れますが、このような時は鎮痛作用のある漢方薬を用います。
膵炎の漢方治療は、意外と効果が期待できます。膵炎の漢方治療はじっくりと治療していくことが大切です。

※漢方を服用する場合は、自己判断せずに、漢方の専門知識のある医師、薬剤師に相談しましょう。

実例はこちら↓

漢方医学

西洋医学

膵炎は、膵臓からでる消化酵素が、膵臓自体を消化してしまう病気です。膵炎は、上腹部や背中などが強く痛みます。がんこな痛みが主な症状ですが、吐き気、嘔吐、食慾不振、お腹の張りなどの症状も見られます。
膵炎は、以前は中高年の男性に多く見られた疾患でしたが、最近では女性も増える傾向にあり、男性は50代、女性は60代がピークといわれています。男性では、原因の多くはアルコールを継続的に多飲することで、女性は多くが原因不明です。
膵炎の症状が軽い場合は食事やストレスなどの生活習慣を改善することが大事です。また、ストレスをさけて心身の安静を保つことも大切です。
西洋医学では、膵炎は鎮痛剤や鎮痙剤、消化酵素剤などを用いて治療します。ケースとしては少ないのですが、外科的治療が行われる場合もあります。腹痛がいつまでも続くような場合は、鎮痛薬、鎮痙薬、消化酵素薬などを投与します。

実例はこちら↓

西洋医学

日常生活

日常生活についてですが、膵炎の人は痛みや吐き気などがある時期と、そうした症状がなく安定した時期が繰り返されます。
痛みや吐き気がある時期は食事を控え、症状が治まったらおかゆなどの負担のかからない食事から始めるようにします。膵炎は、消化吸収能力が落ちて栄養状態が低下しがちなので栄養バランスを考慮し、消化のよい食事を心がけてください。具体的な食材としては、マグロ、かつお、鳥のササミ、豚のもも肉、大豆製品などのたんぱく質、牡蠣やホタテなどの貝類、ニンジン、キャベツもよいでしょう。
禁酒をして脂肪の多い食事をさけ食べ過ぎないようにします。また、コーヒーや香辛料なども制限する必要があります。また、ストレスをさけて心身の安静を保つことも大切です。
※医師・薬剤師に、ご相談の上服用してください。

実例はこちら↓

日常生活

膵炎の漢方の実例

ストレスによる膵炎の症例

数年前に膵炎になりましたが、その時は通院してよくなりました。今回も再び膵炎になりましたが、病院で処方された薬でもよくならないとのことで、来店されました。
日ごろ仕事が忙しく、そのストレスから毎晩のように飲酒をしていたとのことで、それが原因ではないかとのことでした。
体力はありますが、痩せ型で下痢をしやすく疲れやすいです。みぞおちから背中にかけて強い痛みがあります。お腹がいつも張っている感じで食欲もありません。また、イライラしやすく夜も眠れないとのことでした。
この方は、痩せ型ですが体力がありもともとは丈夫とのことから、中間タイプと考えました。そこで、中間タイプに用いる処方で、ストレスを和らげて膵臓の炎症を改善する漢方薬を処方しました。2ヶ月の服用が終わるころにはだいぶ症状が改善されてきました。
下痢もあまりしなくなりみぞおちや背中の痛みもずいぶん軽くなったとのことでした。また、以前ほどイライラしなくなり寝つきもよくなってきたとのことです。
その後も同じ処方を服用し、膵炎の症状はほとんど改善しました。

胃腸の弱い方の膵炎の症例

夕食を食べた後に、急にみぞおちから背中にかけて強い痛みに襲われました。発熱があり吐き気もします。
翌日、病院で検査を受けたところ膵炎と診断されてました。薬を処方されてしばらく服用していたのですが、なかなかよくなりません。
そこで、漢方薬を服用したいと思い、インターネットで調べて当店へ来店されました。
やや神経質そうな方です。痩せ型で冷え性、疲れやすいです。普段から胃腸が弱く脂っこい食事をとるとすぐに胃がもたれます。
この方は冷え性で疲れやすく胃腸が弱いなどの症状から虚弱タイプと判断し、虚弱タイプの方に用いる処方で、胃腸の機能を高めて膵炎を改善する漢方薬を処方しました。
一ヵ月後に来店したときには、みぞおちや背中の痛みはかなり楽になりました。ただ、時々むかつきや吐き気などの症状はあるとのことです。
このまま同じ処方を継続しましたが、症状は次第によくなり半年後には胃のむかつきや吐き気もなくなり、膵炎の症状はほぼ改善しました。

お身体の悩み